のではないだろうか?
今日のテーマは「のではないだろうか?」。日本語の記事を読んでいると、文末にこの長い表現が付いているのをよく見ませんか。また、最後に付いているこの表現のせいで、文全体の意味がわからなくなっちゃった!ということがありませんか。
今年の冬は例年より寒くなるのではないだろうか?
こんな文が出てきたら、どう解釈しますか。否定の「ない」があるし、推量の「だろう」もあるし、質問の「か」もある。でも、結局言いたいことは「今年の冬は例年より寒くなる」と考えてもいいでしょう。
寒くなるのではない=寒くなるんじゃない?、寒くなるよね?
「じゃない?」や「よね?」は聞き手に同意を求める表現です。ここで「じゃない」は否定表現ではなくて、同意を求めるために否定形を使って、話し手の断定を弱めています。
寒くなるのではないだろう
「だろう」も話し手の断定を弱める推量の表現です。「です!」とはっきり言わずに「だろう?」「でしょう?」 を使って、"I think" または "I guess" の感じを表しています。
寒くなるのではないだろうか?
「か」を最後に使うことで、話し手は「自分の言っていることは正しいですか?」という疑問を聞き手に投げかけます。 でも、これは答えに「はい」か「いいえ」をはっきり求めている完全な質問ではなくて、聞き手の同意を促す弱い質問になっています。
つまり、話し手は「今年の冬は例年より寒くなる」と言いたいけど、はっきり言っていないということ。断言を避けてソフトに言いたい、または自分の意見に100%の自信がない場合などに使います。でも、「のではないだろうか?」という表現は本当に言いたいこと、「今年の冬は例年より寒くなる」にはあまり影響していません。無視してもいい表現というわけではありませんが、本当に言いたい部分を弱めに言っていると考えでもいいでしょう。
次に、「のではないだろうか?」の変形を見てみましょう。
今年の冬は例年より寒くなるのではないだろうか?
今年の冬は例年より寒くなるのではないでしょうか?(もっとていねい)
今年の冬は例年より寒くなるのですか?(完全な質問)
今年の冬は例年より寒くなるのではありませんか?(推量なし、同意を求めているだけ)
今年の冬は例年より寒くなるんじゃない?(上よりカジュアル)
でも、どれをとっても、結局「今年の冬は例年より寒くなる」と言いたいのです。ですから、文末のまぎらわしい表現に理解の邪魔をされないように気を付けてください。
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